プログラム

本演奏会は三部構成となっています。Ⅰ部Ⅱ部は座って演奏する吹奏楽団の単独ライブで、Ⅰ部は吹奏楽オリジナル曲(純粋に吹奏楽のために作られた曲)、Ⅱ部はポピュラー音楽(誰もが知る有名な曲を吹奏楽用にアレンジしたもの)を演奏します。そしてⅢ部はステージ上を自由自在に動き回りながら演奏する吹奏楽団とチアリーダーズのコラボによる贅沢なステージをお送りします。これから当日演奏する曲の注目ポイントを一足先に紹介していきます!

第1部 シンフォニックステージ

レトロ

作曲:天野正道

本年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅲです。この曲は1970年代後半からバブル崩壊期くらいまでのテイストで書かれ、ノリノリのビートが気持ちよいイントロ、大人の余裕を見せつけるバラード、バブルを感じるディスコミュージックと大きく三部構成となっています。

様々な要素が詰め込まれ、全体で「レトロ」を表現している一曲であり、曲中、世代の方に懐かしいと思っていただけるような場面も多くあるはずです。私たちは昭和を生きてきたわけではありませんが、子供のころから触れてきた音楽や漫画などの文化には昭和生まれのものもたくさんあり、それらが好きな若者も多くいます。平成生まれの私たちだからこそ思い描くことのできる、古き良き昭和のサウンドをお楽しみください。

風紋

作曲:保科洋

1987年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲です。なお、課題曲の発表後に出版された「原典版」もありますが、本演奏会では課題曲版を演奏いたします。

「風紋」とは風によって砂地に形作られる模様のことを指す言葉ですが、実はこの曲名は曲が出来上がってから付けられたものであって、風紋をイメージして作られた曲ではないと明かされています。しかし、この曲の美しい旋律やハーモニーによって描き出される情景は、まさに広大な大地を様々に吹き通る風や、それによって作り上げられる風紋の荘厳で美しいさまを思い起こさせます。

自然の動と静を美しく表現する名曲ですが、その表現の大部分は曲そのものではなく奏者に委ねられており、少しの違いで大きく表情を変える、難しくも味わい深い一曲です。私たちが今日まで追い求めてきた応援部吹奏楽団なりの響きとともに、自然の雄大さを体感しつつお聴きください。

マゼランの未知なる大陸への挑戦

作曲:樽屋雅徳

マードック船長やクシナダ姫など歴史上の人物を題材としたヒット曲を数多く手掛ける吹奏楽作曲家の樽屋雅徳氏による、大航海時代の探検家フェルディナンド・マゼランをモチーフにした人気曲。史実では、マゼラン艦隊が人類初の地球一周という大偉業を成し遂げるも、マゼラン本人は航海中に無念の死を遂げてしまいますが、この曲はそんなマゼランの魂がもし現世に残り、世界一周を続けたなら…という思いから作曲されています。過酷ながら美しい風景や人々と出会う喜びも味わうことのできる壮大な旅の様子を、緩急ある展開で描き上げます。

親しみやすく暖かいメロディーが心に響く一曲です。中盤のスコティッシュなフルートソロや、終盤の静寂の中に現れる美しいトランペットソロにも注目してお聴きください。

第2部 ポップスステージ

銀河鉄道999

作曲:タケカワ・ユキヒデ  編曲:樽屋雅徳

この曲は1979年にロックグループ「ゴダイゴ」によってリリースされ、アニメ『銀河鉄道999』の主題歌として世代を超えて今もなお多くの方から愛され続けています。宇宙の壮大かつ神秘的な雰囲気で幕を開け、ノリノリの演奏で駆け抜けていきます。途中で演奏人数を最小限にしてお送りするコーラスの箇所も登場します。満天の星のようなキラキラとしたサウンドを是非お楽しみください。

Make Her Mine -Brass Rock-

作曲:Eric Leese 編曲:郷間幹男

1964年にイギリスのモッズ系バンド、ヒップスター・イメージがリリースしたナンバー「Make Her Mine」を“ブラスロック”にアレンジ!映画「スウィングガールズ」の劇中にて演奏され大きな話題になりました。曲中のトロンボーン、アルトサックス、ドラム、エレキベースのソロにもご注目ください!

サザンオールスターズ・メドレー

作曲:桑田佳祐 編曲:杉本幸一

1978年にメジャーデビューを果たしてから今も尚幅広い世代に愛される、言わずと知れた国民的ロックバンド、サザンオールスターズ。この「サザンオールスターズ・メドレー」は、多くの大ヒットを生み出した彼らの有名曲を詰め込んだ贅沢な一曲となっています。
しっとりバラードからハイテンションな夏曲まで、様々なジャンルの楽曲が登場します。
我々の奏でる幅広い音色に乗せて、サザンオールスターズの音楽をぜひ余すところなくお楽しみ下さい。

第3部 ドリルステージ

Firework

作曲:Tor Erik Hermansen, Sandy Wilhelm, Katy Perry, Esther Dean, Mikkel Erikse 編曲:Michael Brown

ドリルステージの幕開けとしてお送りいたしますのはKaty PerryのFireworkです。2010年にリリースされた彼女の代表曲とも言えるこの曲は、様々な逆境に負けることなく各自が内に秘める才能や力を開花させるという内容で多くの人を勇気づけてきました。
曲の序盤ではメンツ、カラーガード、チアリーダーズそれぞれの見せ場、中間部ではクラリネットとフルート、カラーガードのソリ、最後には3つのパートが揃ってのメリーとカンパニーで締めくくります。応援部だからこそできる華やかかつ力溢れるステージをぜひお楽しみください!

The Incredibles - Part 1

作曲:Michael Giacchino 編曲:Jay Bocook

「The Incredibles」は、ピクサー映画「Mr.インクレディブル」の劇中歌です。普段は「普通の人」として暮らす主人公一家が、黒い仮面と赤のヒーロースーツを身に着けると一変、街の危機に立ち向かいます。
今回はヒーローの登場シーンとして、「The Incredibles -Part1」をお届けします。情熱にあふれたスーパーヒーローが街を救うパワーと勢いを、繊細ながらも大きくスピードに乗った隊形変化と、カラーガードのダイナミックな旗さばきで表現します。サックスとカラーガード2人によるソリにもご注目。三分間、皆様をインクレディブルな世界へと誘います。

Take On Me

作曲:Pal Waaktaar / Magne Furuholmen / Morten Harket 編曲:Tim Waters

ノルウェーのシンセポップ・バンドa-haの「Take On Me」はアメリカのポップシーンに旋風を巻き起こした、80'sカルチャーを象徴する一曲です。
原曲で印象的なリフはさまざまな楽器によって再現され、憂いを帯びたメロディはマーチングにふさわしい華々しいアレンジとなっています。160を超えるテンポで演奏される楽曲の疾走感やエネルギーに合わせ、26人のメンツと6人のガードで描き出す大きな図形がさまざまに変化していきます。
冒頭のバッテリーや、メンツ・カラーガード揃ってのアクション、チアリーダーズとカラーガードによる絡みダンスも必見です。曲名を連想させる場面や、ダイナミックな音量変化と曲調変化にもぜひご注目ください。
メンツ・カラーガード・チアリーダーズ全員で作り上げるオープニングステージのフィナーレ、一瞬も目を離すことなくご覧ください。

The Musical Elisabeth/ミュージカル『エリザベート』より

作曲:Michael Kunze, Sylvester Levay 編曲:Johan de Meij

「エリザベート」は、オーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリザベートの実際の生涯をモデルにした、ウィーン発のミュージカルです。
類なき美貌を誇り、自由を愛したエリザベートは、ある日綱渡りのロープから落下し意識不明の重体に陥ってしまいます。そんなエリザベートを死の世界に誘おうとした黄泉の帝王トートですが、死の口づけをしようとしたその時、エリザベートの生命力あふれるまっすぐな目に心を奪われます。エリザベートと、彼女の愛を求め続けるトート、彼女への愛を伝え続ける夫の皇帝フランツ、その他個性豊かな人々との人間模様の中で、物語は進んでいきます——滅亡の帳が降りる帝国と共に訪れるエリザベートの“運命の日”に向かって——。エリザベートは果たして生涯をかけて何を求め、何を愛したのでしょうか。
今回のMain corpsでは作中より「プロローグ」「夜の舟」「退屈しのぎ」「遠慮は無用」「死の舞」「フィナーレ:私だけに」のメドレーをお送りします。
今のメンバーでできる最後のドリルステージを心ゆくまでお楽しみください!