活動報告

神宮観戦記 対慶應義塾大学第二回戦


10月5日、対慶應義塾大学第二回戦。劇的勝利を果たした翌日の応援席は、勝ち点獲得の瞬間を期待する多くのお客様で賑わいました。加えて、本試合は硬式野球部と応援部が合同で「淡青の日」と銘打ち、前々から集客を図ってきた大事な試合。試合開始前からスタンドには多くのお客様が駆けつけ、今年一番の来場数を記録しました。
淡青一色に染まった応援席の衆目を浴び、先発のマウンドに上がったのは、東京大学不動のエース、渡辺投手。前日の試合では抑えとして登板し、勝ち試合を締めた渡辺選手が、本試合では先発投手として、慶應打線に挑みます。
8年ぶりの勝ち点獲得を賭けた東京大学と、負けたら最下位に転落し後がない慶應義塾大学。両校どちらにとっても負けられない一戦は、緊張感溢れる投手戦で幕を開けました。
二回表、前日に4打点を挙げて勝利の立役者となった明石選手が二死からツーベースヒットを放ち、応援席は序盤から盛り上がりを見せました。しかし、後続が打ち取られ、この回は無得点に終わりました。一方の渡辺選手も、二回には一死三塁、三回には一死二三塁のピンチを作りますが、気迫のピッチングで後続を抑え、スコアボードに0を並べます。特に三回は、ランナーを三塁に負う局面から、相手の四番常松選手、五番中塚選手を打ち取り、安堵と興奮で応援席が沸きました。
試合が動いたのは四回裏。一死一二塁のピンチから、今津選手、林選手の連打を許し、慶應義塾大学が3点を先制しました。しかし続く三番渡辺(憩)選手を打ち取り、ビッグイニングとはさせず、応援席を埋め尽くすほどの数となったお客様も、そして我々応援部員も後半での反撃を信じて応援を続けます。
しかし、相手校の先発外丸投手の圧巻のピッチングを前に苦しい攻撃回が続きます。五回には荒井(慶)選手の盗塁でチャンスを演出しますが、中々得点には繋がらず、スコアボードには7回まで0が並びます。しかし、渡辺選手に代わりマウンドに上がった中根投手も、これまた素晴らしいピッチングを見せました。一年生ながら堂々たる投げっぷりで5、6、7回と慶應打線を抑え、相手に流れを渡しませんでした。
中根投手の活躍もあり、8回にはついに流れが変わり待ち望んでいた展開が訪れます。外丸投手が降り、マウンドに上がったのは水野投手。相対するバッターボックスに立つのは、小美濃選手。彼もまた一年生で、大柄な体格の期待のルーキーです。小美濃選手が粘った末に四球を選び、先頭バッターが出塁したことにより流れが変わります。一塁には俊足を武器とする安田選手が代走として送られ、見事二塁への盗塁を決め、無死二塁のチャンスが演出されると、続く青貝選手も内野安打を放ち、無死一三塁の大チャンスが到来します。淡青に染まった応援席もこの日一番の大盛りがりを見せ、打席に向かう秋元選手には割れんばかりの声援が届けられます。ボルテージが最大まで高まった雰囲気の中、秋元選手がバットを一閃し、打ち上がった白球は綺麗な軌道を描いて、レフトの前に落ちました。地を揺らすほどの歓声の中、安田選手がホームベースに帰還。待望のタイムリーが飛び出し、応援席を埋め尽くすほどの人たちで、喜びの「ただひとつ」を歌いました。
8回の表に反撃の狼煙を上げた東京大学でしたが、慶應義塾大学も黙ってはいませんでした。8回の裏にマウンドに上がった佐伯投手から一死一三塁のチャンスを作り、一宮選手の犠牲フライで再び三点差に広げられます。
最終回、三点差ではありましたが、野球においてこの点差は安心できる点数でも、諦める点数でもありません。また、東京大学の打線はこれまで9回に猛打をたくさん見せてきました。「闘魂は」のエンドレスでスタンドの熱量が高まる中、一死から樋口選手が出塁し、応援席はさらに沸き立ちました。しかし、後続が打ち取られて無得点に終わり、1-4でゲームセットとなりました。
惜しくも二連勝とはなりませんでしたが、好調な明石選手の打棒、ルーキーの活躍等印象的な場面が多くみられ、また「淡青の日」と銘打った応援席も今までにない盛り上がりをみせました。一勝を上げましたが、悲願の勝ち点獲得に向けて、硬式野球部の方々の「逆襲」は続きます。残り二カードも応援部員一同、全力で応援してまいります。

リーダー二年 青本涼平