5月3日、晴れ渡る青空の下、東大の今後の流れを大きく左右する折り返しの一戦が幕を開けました。直前で立教大学が早稲田大学をサヨナラ勝ちで制したこともあり、応援席は試合開始から大いに盛り上がっていました。

本試合でも、エース渡辺選手の好投が光りました。安定感のあるアンダースローの投球で大きな当たりを慶応打線に与えず、守備との連携で4回裏まで無失点に抑えます。しかし、東大打線も”渡辺”の投球に苦しめられます。今試合の慶応は一回戦目の先発をエース外丸から渡辺和大に変更。相手ピッチャーのキレのある投球に中々ヒットが出ず、0対0の膠着した状態が続きます。

そんな中5回裏、ついに均衡が破られます。相手バッターが力強く打ち出したライナーを中山選手が見事に掴み取り、ファインプレーに球場が湧きましたが、その喜びも束の間。続くバッターの2ランホームランにより、2対0と一気に劣勢に追い込まれてしまいます。

しかし、この状況でも東大野球部の勝利への執念は止まりません。6回裏には四死球や相手選手のヒットが絡み満塁の危機に追い込まれますが、なんとこれを無失点で抑えピンチを凌ぎます。7回表には守備回の勢いのまま大原選手がヒットを出し、応援席も盛り上がりを見せますが打線が繋がらずこの回も無得点で終わります。

7回裏にはさらにソロホームランを打たれ点差を広げられてしまい、8回裏にはこれ以上の得点を阻止するため、渡辺投手から2年生の高橋投手にマウンドが託されました。対明治大学戦で神宮初登板を果たし、その球速で応援席を大いに盛り上げた高橋投手ですが、今試合も期待に応え見事三者凡退で抑え、3点差のまま最終回を迎えます。

9回表、相手ピッチャーのフォアボールで酒井選手、中山選手が出塁し、その後ワイルドピッチが重なりランナー二塁三塁とチャンスを迎えましたが、その後決定打が出ず3アウトとなり、0-3で敗戦となりました。

結果は悔しいものとなりましたが、ホームラン以外で得点を許さなかった東大守備の硬さや渡辺投手の安定した投球、また、大原選手の4番打者としての威厳が発揮されるなど、東大野球部の更なる進化を感じさせられる試合となりました。これからの試合で勝利を掴み取り、その先に7年ぶりの勝ち点獲得を果たす映像は、我々の脳内でますます鮮明に描かれていきます。東大野球部の逆襲を信じ、全力で応援して参ります。

吹奏楽団二年　西村晄太朗